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四月の器 [古伊万里]

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「四月の器」は、藍九谷の「桜花と桜川文 平鉢」。
料理は「口取 鯛の子旨煮、針魚風干、海老パン」。

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「藍九谷」とは“古九谷様式の染付”という意味ですが、
研究調査によって、寛文期(1661〜72年)の頃に
九谷ではなく伊万里で焼かれたということがわかっています。
つまり約350年前の古伊万里の器です。
初期伊万里よりも呉須の発色が美しく、絵付に品があり、
後の藍柿右衛門様式ほど技巧的ではないところから
「藍九谷」を古伊万里染付の最高峰と考える人もいます。

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「桜川文」とは桜の花が川面に浮かんで流れる様子を文様化したもので、
「桜流し文」とも呼ばれます。
一般的には色絵で描くことの多い文様ですが、
川面も桜の花も染付の青(藍)一色で表現しているところに
350年前の日本人の高い美意識を感じます。

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三月の器 [鍋島]

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なかなかブログが更新できなかったことをお詫びします。
これまでは「向付」を中心に紹介してきましたが、
今年からはブログのタイトルを一新し
少し視野を広げて、さまざまな骨董の器と料理について
書いていきたいと思っています。

今回紹介する「三月の器」は、鍋島焼の「色絵宝珠文皿」。
料理は「すみ烏賊と車海老の鍬焼」。

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宝珠(如意宝珠)とは仏教において霊験を表すとされる宝の玉のこと。
この宝珠をモチーフにした皿がなぜ「三月の器」なのかというと、
青い宝珠の背後に桃の花がびっしりと描かれているから。
本来、この二つは関係のないものなのですが、
宝珠の形が桃の実に似ているので、
一緒に描かれるようになったと考えられています。

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器の裏面には染付で七宝結び文が、
そして高台には櫛目文が丁寧な筆致で描かれています。
このように裏側まで見所があるというのが、
鍋島焼の魅力のひとつ。

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鍋島焼は将軍家や諸大名への献上品であったことから
現代では観賞用の美術品として捉えられているのですが、
作られた目的は食器であるわけで、
やはり、料理を盛ってこその器なのだと思います。
盛期鍋島はあまりにも高価なので実用的ではありませんが、
少し時代に下がった鍋島の五寸皿や変形皿などは、
食器として再評価される時が来るのではないかと期待しています。

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器と四季 第二十回「十二月の向付」 [向付]

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第二十回「十二月の向付」は「鮃」。
添えられているのは、うど、浜防風、岩茸、山葵。
器は永楽和全の「赤絵金襴手丸紋手付向付」。

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永楽和全(1823〜96)は十二代永楽善五郎。
職人気質の人で、金襴手写しの名手としても知られています。

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腕のいい指物師が作ったと思われる立派な共箱には
「丸紋 金襴手向附」と記されています。
おそらくは、幕末期の茶人のオーダーメイドで作られたものでしょう。
伊万里の金襴手のような派手さはなく、上品で可愛らしい器です。

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器と四季 第十九回「十一月の向付」 [向付]

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第十九回「十一月の向付」は「活鯛」。
添えられているのは、菊花、うど、岩のり、山葵。
器は永楽妙全の「古染付写 半開扇向付」。

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永楽妙全(1852〜1927年)は永楽家十四代得全の妻で、
永楽善五郎を襲名することはありませんでしたが、
素晴らしい茶陶をいくつも残している名人のひとりです。

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箱には十六代永楽善五郎・即全の識があり、
表には「染附半開扇 向附 五箇」、
裏には「妙全作」と書かれています。

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「半開扇」の形は中国・民時代の古染付がオリジナルで、
この向付は永楽妙全による写しです。
茶の湯の世界では10月末から11月の「炉開き」の時に、
開くという言葉にかけて、この向付を用いることが多いようです。
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器と四季 第十八回「十月の向付」 [向付]

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第十八回「十月の向付」は「ぐじ細造り」。
添えられているのは、菊花、寿海苔、山葵。
器は「御深井焼 葉文向付」。

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御深井焼とは尾張徳川家の御用窯で焼かれた器のことで、
元和2年(1616)に藩祖の徳川義直が、名古屋城外郭の御深井丸に
美濃や瀬戸の優れた陶工を招いて窯を築いたのが、その起源とされています。

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御深井焼の特徴は灰釉に長石を加えて透明度を高めた釉を使っていること。
やや青みがかった黄褐色の色合いは独特で、それがお造りの色を際立たせます。

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美濃の陶芸家、加藤景秋(1899〜1972)の箱書があり、
「御深井向付 美濃久尻清安寺窯」と記されています。
「久尻清安寺」というのは、現在の岐阜県土岐市泉町久尻にある曹洞宗の寺で、
「清安寺窯」は寺の裏山に桃山時代に作られた古い窯のこと。
実際にこの向付が焼かれた年代は不明ですが、
美濃の器としても、かなり古い時代のものではないかと想像できます。

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器と四季 第十七回「九月の向付」 [向付]

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第十七回「九月の向付」は「小鯛 昆布〆」。
添えられているのは、菊花、海素麺、山葵。
器は古伊万里の「色絵 菊文菊花形小皿」。

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17世紀半ばに作られた、かつては古九谷に分類されていた器です。
菊の花を重ねた意匠で器形もそれに合わせた、いわゆる変形皿ですが、
バランスが素晴らしく、お造りを盛ると美しく映えます。
葉の部分を緑と青、花芯を黄色で描いた配色も見事。
古伊万里の中でも大好きな器のひとつです。
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すみません。 [その他]

すみません。
今月の「器と四季」の掲載はお休みします。

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今後は「向付」以外の器も幅広く紹介するブログにすべく、
思い切ったリニューアルを考えているのですが、
なかなかいいアイデアが浮かびません‥‥。
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器と四季 第十六回「七月の向付」 [向付]

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第十六回「七月の向付」は「鯒 湯引き」。
添えられているのは、生水前寺のり、花穂じそ、胡瓜。
器は古伊万里の「色絵 朝顔文輪花皿」。

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1790〜1810年、寛政から文化の頃に伊万里(肥前)で作られた
献上手ではなく大衆向けの器ですが、細部までかなり手が込んでいます。
色づかいがカラフルなのは、
“粉彩”と呼ばれる中国の色絵磁器の影響と言われています。

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器の見込みだけではなく、
口縁にも墨弾きで朝顔の花が描かれていて、なんともお洒落。
現代にも十分通じるデザインです。
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器と四季 第十五回「六月の向付」 [向付]

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第十五回「六月の向付」は「真子鰈」。
添えられているのは、青とさか、むらめ、胡瓜、山葵。
器は古九谷青磁の「輪花五寸皿」。

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古九谷青磁とは「古九谷の時代に焼かれた青磁」という意味で、
だいたい1650〜70年代くらいに伊万里で作られたもの。
当時の青磁はまだ技術が未熟なので発色が安定していないのですが、
この皿はなかなか美しい上がり。
梅雨の季節にふさわしい涼しげな器です。
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器と四季 第十四回「五月の向付」 [向付]

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第十四回「五月の向付」は「伊勢海老黄身あえ」。
添えられているのは、赤とさか、莫大、胡瓜、山葵。
器は偕楽園焼の「紫交趾牡丹皿」。

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実は去年の五月と同じ器なのですが、
盛りつけがあまりにも素晴らしいので載せることにしました。
(写真もちょっと大きくしてみました)
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